伊賀市は2月19日、2020年度の当初予算案を発表した。一般会計は少子高齢化や人口減少による市税の減収、福祉に必要な扶助費の増加に加え、国からの普通交付税が合併算定替の終了で減るなど厳しい財政状況を反映し、前年度比4・7%(約20・8億円)減の約425・9億円となった。26日開会の市議会3月定例会で提案する。
歳入は、全体の34・6%を占める市税が0・9%減の147・3億円。そのうち市民税は個人が0・2%減の約45・7億円、法人が14・9%減の約13・3億円で、いずれもマイナスを見込んでいる。固定資産税は1・5%増の約77・8億円を計上した。
主に建設事業に充てる借金の市債は、汚泥再生処理センター建設事業が山を越え、小学校用の給食センター整備事業が終了したことなどで前年度比29・2%減の約39・3億円となった。地方交付税は6・7%減の約90・1億円と試算した。
歳出は、23%と最も多く占める人件費が10・4%増の97・7億円。非正規職員への期末手当支給などを定めた会計年度任用職員制度の導入や退職予定者が増えることが要因。
貯金にあたる基金残高は20年度末見込みで約137億円。各事業の財源不足で約18・3億円を取り崩す予定をしており、人口9万1080人(2020年1月末現在の住民基本台帳)に対し、一人当たりで約15万円になる。一方、借金の市債残高は約543億円で、市民一人当たり約60万円。
主な事業は次の通り。
▼いがまち公民館、西柘植地区市民センター、柘植歴史民俗資料館の一部機能を旧ふるさと会館いがに集約するための工事費9986万円
▼青山支所と周辺施設を集約する複合化施設の設計業務委託料など約2472万円
▼芭蕉翁生家の耐震補強や改修の工事費など6693万円
▼2地区以上の住民自治協議会が連携して実施する事業が対象の「地域絆づくり補助金」960万円
▼忍者体験施設整備事業への官民連携手法の導入を調査・研究する委託料など2336万円
▼忍者体験施設整備の測量・地質調査、埋蔵文化財発掘調査の委託料1977万円
▼上野公園内の歩道の一部舗装化や石階段に手すりを設置するなどバリアフリー化工事設計業務委託料など1040万円
▼三田地区市民センターの改修と花垣地区市民センターの移転に要する設計委託料など事業費1億539万円
▼環状交差点(ラウンドアバウト)の本格導入に向けた用地取得費を含む改良工事費4673万円
▼市が所蔵する古文書など貴重資料137点のデジタル化委託料など1227万円