県立伊賀白鳳高校の生徒がレシピを考案した「猪肉田楽味噌」の商品発表会が12月12日、伊賀市緑ケ丘西町の同校で開かれた。伊賀産のシシ肉を使った取り組みは2014年からで、出席した県市や観光協会の職員らが試食した。【「猪肉田楽味噌」のレシピを考案した伊賀白鳳高の生徒たち=伊賀市緑ケ丘西町で】
発表したのはフードシステム科フードサイエンスコースで学ぶ、「猪肉班」の3年生6人。野生の鹿やイノシシのジビエ食材を活用しようと解体処理や加工、販売をしている地元の団体からの協力依頼がきっかけ。今回の新商品は同じコースの先輩の生徒が手掛けた15年から販売している「猪肉味噌」に工夫を重ねてアレンジした。
担当の西島淳太教諭(58)によると、使用する夏のシシ肉は冬に比べて需要が少なく、煮炊きすると独特の獣臭が出て硬くなる点が課題だったが、血抜きの下処理工程で塩水の浸漬時間や濃度を調整して克服。みそを提供した市内の醸造会社からは地元の豆腐田楽が有名なことやライバル商品があまり出回っていないことなど助言をもらい、商品製造は名張市の農産加工所が引き受けた。
シシ肉以外の食材は玉みそと砂糖、みりん、香辛料のサンショウ。「猪肉味噌」より甘めの味付けに仕上げ、利用しやすいとろみを加減したり、容器もびんからビニール製の包装材に変更したりした。生野菜に付けたり、ご飯と一緒に食べてもおいしいという。
試作品は今月14日に開く同校のアンテナショップ「白鳳cafe」で販売。80個限定で、価格は150グラム入り税込み540円。商品発表を終えた山口華楓さん(18)は「試行錯誤で大変だったが、試食した方においしいと言ってもらえる商品ができた。シシ肉を食べたことがない人や苦手な人にもお勧めしたい」と話した。
問い合わせは同高(0595・21・2110)へ。