三重県伊賀市議会の本会議は4月18日、提出された議案3件のうち、伊賀流忍者体験施設(同市上野丸之内)の設置条例案を全会一致で否決した。一般会計補正予算550万円と小中学生が使用する学習用タブレット端末約6485台を3億5119万円で買い入れる2件は可決した。
産業建設常任委員会に審議を付託した官民連携のPFI方式による忍者体験施設の設置条例案は、指定管理者制度による運営で事業者が実施する体験料について市側が約10分間の「体験A」で1800円から2800円、約2時間の「体験B」で6000円から1万円と説明。付帯事業として施設一部の400平方メートルを有償で貸し付け、事業者がレストランや売店、ホテルを運営するために支払う賃貸料は1平方メートル当たり873円の予定だと答弁した。市議からは料金や賃貸料を設定した根拠の資料が不十分と指摘があり、採決では赤堀久実議長を除く出席した市議20人が反対した。
忍者体験施設のオープンは当初、大阪・関西万博の開幕に間に合わせる予定だったが、市と事業契約を結び同施設の設計、施工、運営を手掛ける特別目的会社「伊賀市にぎわいパートナーズ」が2月に工事の遅れを説明。8月下旬ごろにずれ込むことを明らかにしていた。
550万円の補正予算は債務負担行為の追加で、先月の本会議で議決した同市西条にある小学校給食センター整備運営事業の契約金額を1100万円増額する契約変更議案のうち、2026年度分の経費。教育委員会によると、本来は仮契約前の昨年12月議会で債務負担行為の設定を提案する必要があったが、失念していたという。
- Advertisement -