【名張市役所=同市鴻之台1】

今までは「1円入札」

 財政難の三重県名張市は2月20日、市斎場(滝之原)から出る「残骨灰」を民間業者に売却し、財源確保につなげる方針を明らかにした。市の財政健全化策の一つで、この日に発表した2025年度一般会計当初予算案では、売却益として見込む198万円を計上している。

 火葬・収骨した後に残る残骨灰には、歯の治療などで使われた金や銀、プラチナ、パラジウムなど有価金属が含まれる場合がある。厚生労働省によると、残骨灰の処理は各自治体に委ねられている。

 市環境対策室によると、これまでは処理業務を1円で入札した民間業者に委託。業者は残骨灰から有価金属を抽出し、残った骨などは契約寺院などで供養している。今年度は、大阪府茨木市の霊園に運ばれたという。

 市斎場の23年度の火葬件数は1232件で、残骨灰の量は4922キロだった。市は、従来の処理業務の委託から、高い買取単価を提示した業者に売却する形に改めることにし、当初予算では近年の残骨灰の平均量約4800キロで試算している。

伊賀市も19年度から

 残骨灰の売却は、伊賀市でも19年度から導入されている。市生活環境課によると、市斎苑での23年度の火葬件数は1280件で、残骨灰の量は5974キロだった。約265万円の売却益があったという。

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