【通りを照らす街路灯=伊賀市で(12月3日撮影)】

 三重県伊賀市の上野中町商店会が維持管理してきた26基の街路灯が、来年1月中旬ごろから撤去される。商店街のにぎわいを演出してきたが、老朽化によりその役目を終える。

街路灯側面の双葉葵=同

 同商店会によると、街路灯は1989年、同市上野中町の通りの東西約200メートル区間に設置。茶色の柱の先に2灯がつるされ、夜には温かみのあるオレンジ色の光で通りを照らしてきた。側面には、中町のだんじり「其神山・葵鉾」の屋根の上にある双葉葵があしらわれている。

 長年親しまれてきた街路灯だったが、近年は根元から腐食が進んでいた。すぐに倒れる心配はないが、今後を考え安全なうちに撤去することに決めたという。

 同会の大井秀俊会長(48)は「大好きな風景が一つ無くなるのは寂しく、自分が会長の時にこの役回りが当たり、複雑な気持ち。しかし、これからも上野中町商店会は伊賀上野の中心にあり、各店主が皆さまのご来店を心よりお待ちしています」とコメントした。

 既に街路灯の撤去に向け、電柱に防犯灯の設置を進めている。設置し次第、街路灯の点灯は終了するという。

惜しむ声

 近くに住む女子大生(21)は「幼いころから親しみがあった。観光地ではないけれど、訪れた人が夜に写真を撮って『すごい奇麗』と言っていたのが印象的。残念だけど、安全のためには仕方がないのかな」と話した。

其神山・葵鉾(今年10月撮影)
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