【「忍び込み」の犯人が民家の裏庭に捨てた複数のバッグ(被害女性提供)】
住人の就寝中に家に侵入し現金などを盗む「忍び込み」の被害が、三重県名張市の錦生地域で4月22日夜から翌朝にかけて3件相次いだ。被害に遭った70代女性は「まさかうちが狙われるなんて。体の震えが止まらなかった」と言葉を絞り出した。
同地域北東部に位置する、昔ながらのある民家では23日午前10時30分ごろ、裏庭に散乱する複数のバッグが見つかった。いずれもこの女性のもので、バッグに入れていた財布からは現金約2万円が抜き取られていた。
夜間に何者かが家の勝手口から侵入し、家の中を物色。台所内のかばん掛けにあったバッグなどを持ち去り、現金以外は捨てて逃げたとみられる。当時、女性と80代の夫が家にいたが、少し離れた場所で熟睡していたため、被害に気付いたのは翌朝だった。
勝手口の鍵などを壊された形跡はなかった。女性は「いつも鍵をかけていたが、この日はかけ忘れたのかもしれない」と振り返る。「警察の鑑識の人が『大きな足跡が家の中を何度も行ったり来たりしていた』と教えてくれて、ぞっとした。本当に恐ろしい」と語った。
名張署によると、この家以外にも同様の時間帯に近隣で他に2件、忍び込みの窃盗事件が発生していた。同署は同一犯による連続犯行の可能性が高いとみて、捜査している。
施錠、防犯対策を
同署によると、被害に遭わないためには家の施錠はもちろん、人感センサー付きのライトや防犯カメラ、補助錠の設置、歩いた時に音が鳴る砂利を敷くことなどの防犯対策が有効だ。万が一、侵入者と鉢合わせした場合には、無理に対峙せず、安全な場所に避難し、すぐに110番通報するよう求めている。
女性は「犯人と鉢合わせなくてよかった。もう二度とこんな思いをしたくない。孫と相談して、しっかりと防犯対策を見直したい」と話した。