【百畳岩付近で要救助者役を担架に乗せる消防職員ら=名張市赤目町長坂で】

 三重県名張市の景勝地・赤目四十八滝渓谷で4月25日、名張署と市消防本部、消防団、渓谷を管理する赤目四十八滝渓谷保勝会の合同による救助訓練があった。新緑の時期で、入山者の増える大型連休を前に、参加者らは急病人や負傷者への対応方法、渓谷内の危険箇所、ヘリコプターの降下ポイントなどを確認し、負傷者を担架で搬送する想定訓練に取り組んだ。

 この日は計30人が訓練に参加。冒頭、市消防本部名張消防署の藤本榮司署長は「万一の場合に備えて連携を密にし、安全かつ迅速に対応できるよう取り組んでほしい」、名張署の足達一人署長は「互いに顔の見える関係を築き、連携して行動できるよう訓練に励んでほしい」とあいさつした。

要救助者役を乗せた担架を手に、斧が渕付近の急な階段を下る消防隊員ら=同

 訓練の想定は、渓谷入り口から約1・8キロ先にある「百畳岩」付近を散策中に滑落・負傷して動けなくなった要救助者2人を、担架などで搬送するもの。参加者らは2つの担架にそれぞれ要救助者役を乗せ、傾斜が急な階段や水に濡れた岩場などを、声を掛け合いながら慎重に進んでいった。

 市消防本部によると、同渓谷内では2024年度中、負傷・急病で計7件の救助事案が発生し、うち3件では県の防災ヘリも出動した。22、23年度の出動件数はともに2件だった。

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