【「とにかく伊賀が好き」と話すスピクザさん=伊賀市上野桑町で】
米国オハイオ州出身で、ALTなどとして活動している三重県伊賀市上野桑町のティモシー・スピクザさん(41)。伊賀をこよなく愛し、昨年9月には念願の永住権を取得した。
オハイオ州立大学を卒業後、コンピューター技師の会社員として働いた。2007年、「違う場所で、違うことをやってみたい」と退職し、興味を持っていた日本を旅行で訪れた。1か月かけて全国を回ると、更に詳しく知りたくなったそう。
翌08年から11年まで、長崎県の中央部に位置する諫早市の高校に英語講師として着任した。2年の任務の後、帰国。13年に再来日した際、赴任したのが伊賀市だった。
「小さな町なのに、不便じゃない」「外国人も多い」「外国料理の飲食店も多く、世界の料理が食べられる」「スローライフだが何でもできる町」と最初から気に入った。20年には空き家バンクを利用して現在の住居に移り、名張市内の学校でALTを務め、自宅で英語教室などを開いている。「伊賀地域はコミュニティーがしっかりしている。人々の結びつきやつながりが強く、それはとても大事なこと」とスピクザさん。「人々は優しく、お互いに助け合う精神が素晴らしい」と語る。
かつて諫早市に住んでいた時、東日本大震災の惨状を知ったスピクザさんは、伊賀市の外国人防災リーダーになった。昨年の能登半島地震ではボランティアとして数回現地を訪れ、掃除や片付けを手伝った。年末にもサンタクロースに扮してプレゼントを渡しに訪れたという。
「とにかく伊賀が好き。温泉もお祭りも城も山も。そして人々は温かいし、話しやすい。料理もおいしい」とべた褒め。7月には日本漢字能力検定に挑戦するそうで、現在、猛勉強中だ。「皆さんも英語に興味持ってもらって気軽に話しかけてね」とニッコリ。