三重県伊賀市阿保にある青山保健センター運動施設の歩行訓練用温水プールを利用していた市内の70代夫婦が市を相手取り、閉鎖処分の取り消しと計200万円の慰謝料を求めた裁判で、津地裁(竹内浩史裁判長)は訴えや請求を棄却、却下する判決を言い渡した。
判決は3月27日付。同プールは2024年3月末で閉鎖され、夫婦が同年5月に「高齢者や障害者が体力維持や健康増進を目的に同プールを利用することは幸福追求権として憲法上保障される権利。その利用を妨げられることは障害者基本法、障害者差別解消法の趣旨に反すると言わざるを得ない」とプールの運営再開を求め提訴していた。
判決では原告側の主張に対し「プールを利用した水中歩行訓練だけが体力維持や健康増進の唯一の手段であるということはできないので、閉鎖によって夫妻の被る損害が法的な保護に値するものとは評価し難い」と指摘。一方、今回の判断に関連して「今後どうするのかについては、新市長と市議会とが市民の意見をよく聞いて民主的に決めることが期待される」と付け加えた。
原告の竹本昇さん(75)と静子さん(74)は控訴する方針。
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