【4月1日から休業する赤目四十八滝キャンプ場=名張市赤目町長坂】
三重県名張市は3月28日、公設民営の「赤目四十八滝キャンプ場」(赤目町長坂)を4月1日から休業すると発表した。老朽化した給水設備を巡り、改修を求める運営法人と財政難で費用を出せない市との間に溝が生じ、現行の運営体制を解消することになった。再開時期は未定。
同キャンプ場は、1993年に市が整備して開設。施設の老朽化で廃止などが検討されたが、地元から存続の声が上がり、2019年に市が国の交付金を活用してバンガロー棟やシャワールームの新設などのリニューアルを実施。地元の青年有志が結成した一般社団法人「滝川YORIAI」が運営を引き継ぎ、民営化した。近年の利用客数は、年間1500人前後で推移していた。
市観光交流室によると、老朽化した給水設備は井戸水をくみ上げるポンプや受水槽で、開設時に整備したもの。ポンプに至っては、耐用年数を約20年オーバーしているという。法人の関係者によると、過去には利用客が使うトイレの水が突然出なくなり、川の水をバケツでくんで対応したこともあった。
民営化しても大規模な設備改修は市が担う取り決めで、費用は約3000万円を見込む。法人側は数年前から市に改修を求めていたが、市が財政事情から費用を捻出できない状態が続いていた。市は、給水設備の改修を行わなくてもキャンプ場を運営できる他の事業者を新たに模索している。
利用客「いい場所」「スタッフが温かい」
3月29日に同キャンプ場を訪れた利用客に話を聞いた。奈良県橿原市から訪れた女性(32)は「利用するのは2回目。奇麗でめちゃくちゃいい所だと思う」、松阪市から訪れた女性(32)は「(滝川YORIAIの)スタッフが温かい人ばかりで、休業は本当に寂しい」と話した。
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