【臨時列車に松明を運び込む講員ら=名張市赤目町丈六で】

 奈良・東大寺二月堂の修二会(お水取り)で使う松明(たいまつ)を三重県名張市から納める「松明調進」が3月12日、行われた。地元の伊賀一ノ井松明講が鎌倉時代から続けると伝わる伝統行事で、今年は777回目。前年に続き近鉄が臨時列車を編成し、ツアー客らとともに東大寺へと向かった。

 この日は午前7時過ぎから同市赤目町一ノ井の極楽寺で法要が営まれ、関係者らが道中の安全を祈願。一見勝之・三重県知事や北川裕之・名張市長らも訪れ、あいさつした。その後、法被姿の関係者らが行列を組み、松明を赤目口駅(赤目町丈六)まで運んだ。

極楽寺を出発する一行

 「第777回お水取りの松明調進」のヘッドマークがある4両編成の列車がホームに到着すると、荷を担いだ講員や事前に申し込んだツアー客ら計約130人が次々に乗り込んでいった。列車は東大寺に近い近鉄奈良駅まで直通で運行され、そこから歩いて寺まで松明を運ぶ。

 講長の森本芳文さん(74)は「松明は重いが、歴史はもっと重い。朝からこれほどの方に集まって頂き、天気も良く、感無量です」と話した。

近鉄奈良駅に向け出発する臨時列車=同
- Advertisement -