【SNSが乗っ取られる発端となった、知人アカウントとのメッセージのやり取りを表示した男性のスマートフォン=名張市で(一部画像処理)】

「投票していただけますか」のDM発端 警察が注意喚起

 SNS(会員制交流サイト)のアカウントが乗っ取られる被害が、三重県伊賀地域でも相次いでいる。警察は詐欺への誘導などが目的とみて、注意を呼び掛けている。

 会社を経営する名張市の50代男性は2月22日、画像共有アプリ「インスタグラム」のアカウントを乗っ取られた。既に乗っ取り被害に遭っていた市内の知人のアカウントから「オンライン釣り番組のアンバサダーの座を争っているのですが、投票していただけますか」というダイレクトメッセージ(DM)が送られてきたのがきっかけだった。

 知人が釣りをしていることを知っていたため、不審に思わず返事をすると、「投票コードをテキストで送信できるように」などと電話番号を求められた。番号を送信すると、ショートメッセージで6桁の認証コードとURLのリンクが付いた英文のメッセージが届いた。

 男性はこの時、不審に思ってリンクに触れないようにしたが、意図を尋ねようとスクリーンショットの画像を知人のアカウントに送信。その行為により男性のアカウントは乗っ取られたとみられ、知らぬ間にフォロワーに同様のDMが送信されたり、投資を呼び掛けるメッセージが投稿されたりしてしまった。

 インスタグラムでは、ログイン用のパスワードを忘れた場合、電話番号を入力することでショートメッセージに認証コードとURLが送られ、パスワードを再設定できる仕組みがある。乗っ取りの多くはこの機能を悪用し、認証コードを転送させて勝手にパスワードを変え、アカウントを乗っ取る手口とみられている。

 男性は「(知人が)乗っ取られているとは全く思わなかった。自分も他の人に迷惑をかけたので、本当に申し訳ない」と話した。その後、男性はログインができるようになったものの、乗っ取られたままなのは変わらず、アカウントの削除もできない状態だという。

知人のDMでも油断禁物 番号やスクショ送らない

 名張署生活安全課の橋倉栄介課長は「SNSの乗っ取り被害は全国的に確認されている。知人のアカウントからDMで求められたとしても、安易に電話番号や届いた認証コードのスクリーンショットなどを相手に送らないでほしい」と話した。

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