伊賀市役所

【伊賀市役所=同市四十九町】

 三重県伊賀市は2月18日、2025年度当初予算を発表した。一般会計は歳入歳出の総額が4年連続で増加し、前年度比4億3586万円(0・9%)増の469億260万円で過去最大となった。25日に始まる定例月会議に提出する。

 歳入では、全体の44・4%を占める自主財源のうち、住民が直接納める市税として計151億2634万円(前年度比2・4%増)を計上した。内訳の主は個人市民税46億9415万円(同6・4%増)、法人市民税12億1946万円(9・9%増)で、固定資産税は昨年度とほぼ同水準の81億1558万円(0・2%減)とした。

 性質別による歳出では、義務的経費の人件費が退職手当の減額などで6・7%減の89億7706万円、市の借金を返済する元金や利子、一時的な借り入れで支払う利息などの公債費が1・7%減の53億1284万円と見積もった。生活困窮者や子育て家庭、高齢者、障害者らに対する福祉施策などに支出する扶助費は、昨年秋から児童手当の受給範囲が拡大したことにより、11・5%増の87億1086万円に膨らむとみている。

 基金残高は約26億2000万円を取り崩す一方、財政調整基金やふるさと応援基金などに約14億7000万円を積み立てるため、25年度末で約160億円。住民1人当たりでは約19万円になる。借り入れた市債の残高予定額は25年度末見込みで423億円、住民一人当たりで約50万円になる。

 主な新規または拡充の事業は次の通り。

▼保育士等就労助成事業費補助金(300万円)=私立の保育園(所)や幼稚園、認定こども園を対象に新規採用した保育士ら本人に最大3年間で上限30万円の就労奨励金を交付する。再雇用の場合は市内にある施設で過去2年以内の勤務経験が無い場合も対象に含む。認可外は対象外。

▼保育用務員人件費(2944万円)=短時間勤務の会計年度任用職員を採用し市内の12施設に配置する。

▼中学3年生ピロリ菌検査(264万円)=早期発見と治療で胃がんや胃潰瘍などのリスク減少のため実施する任意の検診事業。

▼フリースクール利用の支援事業補助金(240万円)=不登校児童生徒の保護者に対し、利用に要する費用として月額上限2万円を補助する。

▼学校図書館司書読書活動推進事業(827万円)=短時間勤務の会計年度任用職員を3人配置し、市内の小中学校を巡回する。

▼伊賀鉄道茅町駅の環境整備工事費(757万円)=駅前の外構整備工事の経費。24年度補正予算には同駅トイレの解体を含む新築工事費4323万円を計上している。

▼地域おこし協力隊起業支援補助金(200万円)=定住促進と市の活性化を図るため、任期終了後に市内で起業または事業継承する隊員に対し上限100万円を補助する。

▼地域拠点産科医療機関支援事業費補助金(1095万円)=分娩を取り扱う産科病院の機能を維持継続のため、補助金を交付する。

▼市道新設改良工事費(2億2000万円)=市道印代山神線にある山神橋の橋脚と橋台の工事を実施する。

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