三重県伊賀市は2月5日、公募型プロポーザルの審査を経て約3年前に売却した中心市街地にある公共施設の「旧上野ふれあいプラザ」(上野中町)について、工事完了の期限延長を検討する資料が期日までに提出されなかったとし、契約した民間事業者に違約金約5776万円を請求すると明らかにした。市によると、契約解除になる可能性もあるという。
市と契約を結んだのは介護サービス事業などを手掛ける「ひまわりケアサービス」(愛知県愛西市)で、売却価格は土地約2560平方メートル、鉄骨造5階建ての建物は延床約8181平方メートルで721万円。工事完了の期限は昨年11月15日だった。
この日の定例会見で、市が検討資料にするため同社に求めていた期限延長の書類提出が1月末で期限を迎えたことへの質問があり、稲森稔尚市長は「民間に丸投げした失敗事例。約束を守って頂けない事態となり、全く信頼できない」と就任前から進められてきた計画を批判した。
更に、稲森市長は市街地エリアの価値を高めることは市全体の重要な課題だとし、「これを教訓に民間事業者や地域住民とビジョンを共有しながら旧上野ふれあいプラザを核としたにぎわい創出を市がリーダーシップを発揮しやっていく必要がある」と話した。
旧上野ふれあいプラザは48年前にショッピングセンターとして建てられ、市町村合併前の旧上野市が1996年に取得した。市は事業者の改修計画について1階は食料品や総菜などを扱うスーパーやドラッグストアなど店舗スペース、2階に診療所、3階と4階に有料老人ホームを予定していると市議会に説明していた。
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