消防職員が急なお産への対応を学ぶ「分娩介助研修」が2月5日、三重県名張市鴻之台1の市防災センターであった。名張消防署の救急隊員ら約30人が参加し、母子の命を守るための正しい手順を確認した。
座学の後、搬送中の救急車の中で出産に至った場合などを想定し、県内で勤務する助産師2人が模擬人形を使って赤ちゃんの取り上げ方を実技指導した。参加者たちは、胎児の頭が出た後に肩が引っかかって分娩が困難になる肩甲難産の対処法なども学んだ。
同本部では過去にも同様の研修を実施していたが、1月に出産できる医療機関が市内になくなったことや「妊婦情報事前登録制度」が2月に始まったことを受け、改めて今回の研修を企画した。
同本部によると、過去3年間の周産期の救急出動(転院除く)は2022年が6件、23年が2件、24年が4件だったが、実際に分娩に至ったケースはなかったという。
名張消防署救急室の竹山良一室長は「近くても伊賀市まで30分、遠いと1時間ぐらいかかる可能性もあり、救急車内で出産する可能性も高まる。安心して頂けるよう、研修を定期的に続けていきたい」と話した。
【関連記事】遠方の出産に交通費と宿泊費を補助 名張市が支援策(https://www.iga-younet.co.jp/2024/12/14/97939/)
- Advertisement -