三重県の伊賀市立上野総合市民病院と名張市立病院は1月20日、両病院の医療人材や資源を活用した機能向上として、それぞれの常勤医師1人を週1回派遣する相互診療の開始を発表した。上野総合市民では内科医が毎週水曜に呼吸器外来を、名張市立では肝胆膵外科医が毎週金曜に消化器外来を担当する。
相互診療の取り組みは、昨年4月に伊賀地域の医療体制充実を目的に両病院が締結した連携協定に基づくもので、上野総合市民は今月8日から、名張市立は10日から実施している。この日、伊賀市役所で開かれた記者会見に両病院長らが出席し、発表した。
上野総合市民の稼働病床数は234床で、25人の常勤医がいる。田中光司院長は「両病院とも医師不足の解消でいろんなところから医師に来てもらおうと手を尽くしているが、そこが難しいのであれば両市の病院で提供できるものはないかということで話を進めてきた」と説明した。
名張市立は稼働病床数が146床で、常勤医は研修医も含め34人。藤井英太郎院長は「今回は医師の派遣だが、これを足掛かりに他の医療従事者も連携を進めていきたい」と話した。
配布資料で厚生労働省がまとめた統計資料によると、三重県内の人口10万人あたりの医師数は2022年12月現在、8地域の中で最も多い津が407・6人なのに対し、伊賀は最も少ない148・2人だった。
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