【ふふぷらすの藤原代表(中央)と平澤住職(左端)=名張市蔵持町里で】

「ふふぷらす」

 三重県名張市を拠点に活動するボランティア団体「ふふぷらす」(藤原広美代表)が、さまざまな理由から不登校や引きこもり状態にある人の居場所や家族の交流の場づくりをしている。

 3年前、自身の子どもが不登校になり孤独を感じていたという藤原代表が、地域の身近な相談拠点として市が設置した「まちの保健室」で「ステイホームダイアリー」の活用を勧められたのがきっかけ。

 ダイアリーは交換日記の方式で、自宅にいながらでも世代や立場が異なる人と新たなつながりづくりができることを目指した市の地域包括支援センターの取り組み。そこに「同じ境遇の人と共感し合いたい」「つながりがほしい」と自身の思いを綴るようになり、さまざまな人の応援を受け、1年前にふふぷらすを設立した。

 藤原代表の思いに賛同した長慶寺(同市蔵持町里)の平澤永龍住職が活動場所として寺の利用を提案。不定期ながら皆で集まり、同支援センターやボランティアの協力も得ながら活動を続けている。

参加者らがアクリルファイルで制作した参道に飾られた風車

 これまで参加者らと地蔵の前掛けを手作りした他、廃棄予定のクリアファイルで制作した風車150個を、11月1から8日に寺の参道に展示するイベントも開いた。「物事が良い方向へ回りますように」と思いを込めた風車の展示は、近所の人とも会話するきっかけが生まれ、好評だったという。

 「『安心して気持ちを話せる場所』『心の拠り所』になっていければうれしい」と語る藤原代表。平澤住職も「人で傷ついた分、人で癒やせたら。つながらなければ始まらないので、世代を超えたこの活動がみんなの元気になってほしい」と話した。

 活動の様子はインスタグラム(@fu_fu_p)で発信している。

2024年11月23日付880号5面から

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