昨季、21年ぶりに社会人野球日本選手権に出場したミキハウス野球部が1月13日、三重県伊賀市治田のチームグラウンドで新シーズンの練習を開始した。「2大大会8強以上」を目指すチームには、いずれも昨季までプロ野球・巨人に在籍した左腕・高橋優貴投手(27)、長打力が持ち味の内野手・菊田拡和選手(23)らが合流した。
1995年創部の同チームは、昨季まで都市対抗野球大会に4年連続で計5回出場し、元巨人の桜井俊貴投手(31)が加わった昨季は、初めて日本選手権とのダブル出場を果たした。昨秋の日本選手権は初戦でENEOS(神奈川)に完封勝ちし、2回戦でJR東海(愛知)に惜敗したが、いずれも桜井投手が完投し、8強入りへあと一歩に迫った。
茨城県ひたちなか市出身の高橋投手は、東海大菅生高、八戸学院大を経て2018年のドラフト1位で巨人入り。21年に11勝を挙げたが、22年の左ひじクリーニング手術後に育成選手となり、昨季終了後に戦力外通告を受けていた。プロ通算成績は69試合で18勝25敗。
茨城県土浦市出身の菊田選手は、常総学院高から19年のドラフト3位で巨人に入団したが、1軍出場は計6試合にとどまった。昨季終了後に戦力外通告を受け、NPB(日本野球機構)の12球団合同トライアウトにも参加していた。
選手・スタッフらはこの日、片道10分ほどランニングして伊賀市白樫の岡八幡宮へ参拝した後、キャッチボールやサーキットトレーニングなどで汗を流した。練習後、高橋投手は「皆さんの姿勢を見て学び、結果を求められることを意識し、より良い選手になっていきたい」、菊田選手は「明るくて元気があるチームで、自分のスタイルに合うと思う。2大大会で勝ち上がれるよう、結果を残してチームに貢献したい」と話した。
21年夏からチームを率いる陣田匡人監督(46)は「2人が早々と溶け込んでくれた、明るく元気な雰囲気がうちの強み。元プロが3人になり、試合や練習前後にやるべき準備・ケアなど、プレーや技術以外の部分でも盗めるものはたくさんあると思う」と頼もしげにグラウンドを見つめていた。