松岡裕行さん(74)
若いころに奏でていたギターを四十数年ぶりに再開し、地元の三重県伊賀市桐ケ丘地区で「フォークソングを歌おう会」を始めて6年。ギターを片手に市内外へ出向いてコンサートなどに出演したり、風景写真の撮影やサイクリングに熱中したりと、「ゆっくりする間がないくらい忙しい」第二の人生を送っている。
長崎県出身で、高校卒業までは北九州市で過ごした。34歳で伊賀へ移り、大阪市の鉄鋼関連会社に64歳まで勤めた。還暦の折に中学の同窓会で恩師が口にした「人生、二期作ではつまらない。二毛作で生きるべきだ」という言葉が背中を押し、「退職後はギター・サイクリング・カメラの3つを趣味にしよう」と目標を立てた。
20歳のころに弾いていたギターを「再開するなら地域の人と一緒に」と、一念発起して2018年に「歌おう会」を始めた。月に2回、約2時間にわたって20曲ほど演奏し、リクエストも採り入れるなどしながら皆で歌う形式だ。
「懐かしい曲に浸って大きな声で歌えばストレス解消になり、老化防止やメンバー同士の交流にもなる」と期待する。最近は高齢者施設や他地域でも開催し、3人組バンドでも6年ほど活動を続けているそうだ。
退職後に始めたカメラでは自然風景などを撮影し、SNSにアップ。50歳前後で始めたサイクリングでは、66歳の時に北海道半周約1200キロを走り切った。「多くの方とのつながりを、これからも大切にしていきたい。今後は地域の皆さんとのハイキングなどで健康維持に努めていきたい」と笑顔で語った。
2024年11月23日付880号10面から
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