2025年の干支は「巳(み)」。十二支の6番目で、動物では「蛇」が当てはめられる。三重県名張市の景勝地・赤目四十八滝には「霊蛇滝」がある。
渓谷入口から200メートルほど進んだところにある落差約6メートル、幅約3メートルの滝で、青く澄んだ美しい滝壷は深さ約7メートル。「赤目五瀑」の一つ・不動滝の下段に位置している。
渓谷を管理する赤目四十八滝渓谷保勝会の資料によると、白蛇が岩をよじ登るように見え、水流の中にある岩が竜の爪痕を思わせることから名付けられたと言われているが、この滝には他に、天正伊賀の乱に関連する伝説もある。
柏原城を攻め落とし、勝ち誇った織田軍の武将たちが渓谷に至り、真っ赤な紅葉の枝を取ろうとした。すると、若く美しい女性が現れ、「この紅葉は全て人間の化身。赤いのは人間の血が通っているから」と止めたという。
それでも織田軍は強引に枝を折ろうとしたため、女性は「私は霊蛇となって紅葉を守り抜く」と言って滝壷へ身を投じてしまった。するとたちまち空は曇って豪雨となり、雷鳴がとどろいたため、織田軍は恐れをなして逃げ去ったと伝わる。
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