【近大高専を訪問し、伊藤監督(左)と対面した石伊選手=名張市春日丘で】

 日本野球機構(NPB)のドラフト会議で中日ドラゴンズから4位指名を受け、入団が決まった日本生命の石伊雄太捕手(24)=尾鷲市出身=が12月19日、高校年代の3年間を過ごした三重県名張市春日丘の近畿大学工業高等専門学校を訪れ、野球部の後輩らから歓迎を受けた。

 近大高専では2年秋から正捕手に定着したが、3年夏は現・埼玉西武の村田怜音選手を擁する相可に2回戦で敗れた。広島六大学野球リーグの近畿大工学部(広島県東広島市)では1年春から起用され、3年秋にはリーグMVPを受賞。社会人野球の強豪・日本生命では1年目から正捕手に定着し、強肩の捕手として注目を集めてきた。

 石伊選手はこの日、午前9時半ごろに同高専を訪問。3年時に工学実験の指導を担当したという齊藤公博校長は「夢を実現してくれた卒業生として誇りに思う。技術のわかる、文武両道のプロ野球選手になってほしい」と言葉をかけ、野球部の後輩でもある学生会副会長の園山大介さん(電気電子コース5年)は「夢を追うことの大切さを教えて頂いた。近大高専のスローガン『不撓(ふとう)不屈の精神』で頑張ってください」と思いを伝えた。

 石伊選手は、集まった1年から5年までの後輩部員約60人を「自分の野球の根本にあるのが近大高専での経験。皆さんの人生にもプラスになると思う。まず何よりも仲間を大切にし、高専初の甲子園出場を目指してほしい」と激励し、「開幕一軍、正捕手を目指したい」と自らの抱負を述べた。

贈られた花束と色紙を手に後輩部員たちと記念撮影に収まる石伊選手=同

 部員らとの写真撮影を終えた石伊選手は、伊藤康弘監督(51)=同高専事務職員=から当時「捕手は見られるポジションだから、そのことを意識して」などと指導を受けたことや、同学年の三塁手・酒井皓大さんと2人でキャプテンの役割を務めてきたことなどを振り返り、「卒業後に野球部員で書いていた交換ノートを読む機会があり、懐かしかった」と笑顔で語った。

 同高専出身者では、学校が熊野市にあった2009年、高専出身者として初のドラフト指名(巨人2位)を受けた鬼屋敷正人捕手(紀宝町出身)=現・巨人ブルペン捕手=以来2人目のプロ選手に。背番号は「9」で、来年2月のキャンプに備えるという。

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