【看板商品「志ぐれ煮」のパッケージを手にする佳与さん=名張市で】

 年末年始には、大切な人へおいしい伊賀牛を―。暮れや盆、祝いごとの席に伊賀牛が並んだり、感謝を込めて贈り合ったりする風土がある伊賀地域。間もなく創業100年を迎える三重県名張市元町の精肉店「森脇商店」の森脇和徳社長(51)に、近年の贈答品事情や大切にしてほしい思いなどを聞いた。

 地元での消費が大半を占め、年1200頭前後という生産頭数も相まって、県外や都市部では「幻の牛肉」と呼ばれる伊賀牛。同商店では、すき焼き用などの精肉はもちろん、1927年の創業当時と変わらない製法でさまざま部位を煮込んだ「志ぐれ煮」が看板商品だ。

 同商店によると、以前は12月初旬が歳暮需要のピークだったが、近年は年末に近付きつつあり、折からの物価高もあってか、贈答品の単価にも少なからず影響は出ているという。森脇社長と妻で取締役の佳与さんは「肉の贈り物は〝ワクワク感〟があり、期待値が高まる。それを裏切らないよう、店の名にかけて、変わらないものを提供し続けていきたい」と思いを語った。

 問い合わせは同商店(0595・63・0046)まで。

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