【右から届け出順に田中氏、浜瀬氏、岡本氏。丸囲み数字は当選回数】

 11月10日投開票の三重県伊賀市長選に現職と新顔5人が立候補した。届け出順に2回に分けて横顔を紹介する。

スポーツ多種経験

田中覚氏(66)=維新

 27歳で地元選出の衆議院議員の公設秘書、その後は県議、市議と38年間政治の世界に身を置く。自身の選挙は通算10回目。「思いを託す候補がいない」と市長選出馬を決めた。
 体格に恵まれ、「体を動かすことが好き」。運送業を営む祖父の下、小学生のころからセメント袋など荷物の積み下ろしを手伝った。明大を卒業後は大手物流会社に就職。今も運送会社役員の顔を持つ。
 スポーツも多種の競技を経験した。野球では三塁手や捕手で試合に出場し、柔道は5段を取得。社会人になってからは入部を勧められて会社のラグビーチームでプレーした。還暦後は登山が趣味だ。
 性格は「自己アピールが苦手。恥ずかしいから。でも出しゃばり。野球のポジションで例えると捕手かな。こちらからサインを出す。強引ではあるかもしれない」。2男2女の父で、孫は4人いる。子ども4人は独立し、現在は妻と2人で暮らす。

商売の経験を市政に

浜瀬達雄氏(46)=無新

 「市街地で商売をしてきたが、近年は衰退の一途。自分だったらどうするか」と、前回の市議選に立候補した。1期3年余を務め、市長選に挑む。性格は「目標を決めたら真っすぐ進むタイプ。人に溶け込むのが上手といわれる」。
 小学生の時に父親が花屋を始め、高校生まで家業を手伝った。仕入れから学び、厳しく仕込まれたと当時を振り返る。「その経験で自分の事業を立ち上げるのに役立った」
 高校卒業後に店を継ぎ、父が他界した12年前、34歳で新たに店を構えた。今も週3回、トラックを自ら運転し、大阪府内の市場に通う。自身を草花に例えたら「ビシャコ(ヒサカキ)のようになりたい」。理由は神仏への供物として欠かせず、花を引き立てるから。
 家族は看護師の妻と、小学4年、1年、年少の男児3人。趣味は豪州先住民の伝統楽器ディジュリドゥを吹くこと。

猫とこたつ 私の至福

岡本栄氏(73)=無現③

 「継続した市政が断絶すると困る。次はやめておこうと思っていたが、もう1イニング。完成形に近づけるため決断した」。充実と安心のまちづくりをスローガンに、子育て施策の充実や防災対策などの実績を訴え、4度目の市長選に臨む。
 両親とも教員で、ひとりっ子。幼いころ、中学で理科を教えていた父がサギソウなどを観察しに市内の湿地帯に連れていってくれた思い出があり、それ以来自然に親しんでいる。上野高在学中には生物部に所属していた期間がある。
 早大卒業後は関西テレビ放送にアナウンサーとして入社。神戸女子大などで非常勤講師を務めた経験もある。性格は「めげない。ブレない。迎合しない。ボコられたらエネルギーに変えるタイプ」。
 趣味は「美術館巡り」。一人暮らしする自宅には4年前から居候する雄猫の「にゃん」がいて、「こたつで一緒に寝っ転がるのが私の至福」と話す。

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