【重さ1トンを超えるという新町の太鼓台を威勢よく担ぐ住民ら=名張市で】

 三重県名張市平尾の宇流冨志禰神社の秋祭りが10月27日、本祭を迎えた。神社のみこしや太鼓台、だんじりなどが巡行し、多くの見物客らでにぎわった。歴史ある祭りに今年初めて女性みこしも登場し、威勢のよい掛け声とともに祭りに華を添えた。

「チョーサ、チョーサ」の掛け声を上げ神社のみこしを担ぐ藤の木会のメンバー

 この日は朝から、公募参加者を含む約700人がみこしや太鼓台の担ぎ手、だんじりの曳き手などを務め、旧市街地を練り歩いた。昼過ぎにはイオン名張店駐車場(元町)に各町の出し物が勢ぞろいし、鍛冶町の七福神が踊りを披露した。

 3基の太鼓台のうち新町の太鼓台は最も重く、太鼓をたたく子どもが3人乗り込んだ重さは1トンを超えるという。法被姿の住民ら55人が組んだ木の棒を肩に担ぎ、威勢のよい掛け声を響かせながら進んだ。

 柳原町のみこしの担ぎ手の中には、初参加した市の国際交流員、フルグリーナス・ザビエルさん(28)=ニュージーランド出身=と市内の中学校で英語を教えるALTのジョナサン・ラミレスさん(34)=米国出身=の姿があった。ラミレスさんはザビエルさんから誘われて参加したといい、「皆さんがフレンドリーでとても楽しかった。みこしをシェイクする時に棒が頭に当たったけど、頑張って担いだ」と話した。ザビエルさんは「もっとたくさんの外国人に、名張の祭りの楽しさを伝えたい」と笑顔を見せた。

みこしを担ぐザビエルさん(はちまき姿の人のうち左端)とラミレスさん(同右端)

 初の女性みこしは、名張商工会議所青年部(YEG)が中心となって企画。本町で数年前まで子ども用に使用していたみこしを復活させた。約20人が参加し、一部は花や鳥などの絵があしらわれた色鮮やかな法被を身に着けた。

 同YEG地域交流・広報委員長の佐藤有美子さん(39)は「昨年初めて本町のだんじりを曳き、今度はみこしを担ぎたいと思って実現した。最高に楽しかった」、本町区長の萩岡淳さん(70)は「有志で非常に盛り上げて頂き、本当にありがたい」と話した。

今年初登場した女性みこし

 名張秋祭り実行委員長の菊山賢二さん(59)は「昨年出た方が『楽しいからもう一回やろう』と参加して頂けていることがすごくうれしい。子どもたちの世代にも、まちのにぎわいを見せてあげなければ」と思いを語った。

お囃子の音色を響かせながら進む本町のだんじり

【関連記事】伝統のたいまつ行列 裃姿の住民の掛け声響く 名張秋祭りの宵宮(https://www.iga-younet.co.jp/2024/10/26/96307/)

- Advertisement -