【巡行する上野鍛冶町のだんじり「二東」(左)と楼車庫で待機する上野魚町のだんじり「紫鱗」=伊賀市上野魚町で】

 国の重要無形民俗文化財でユネスコ無形文化遺産にも登録されている三重県伊賀市の「上野天神祭のダンジリ行事」が10月19日、本祭前日を迎えた。昼前からあいにくの雨模様となり、鬼行列は中止となったが、9基あるだんじりは一部の町が午前中に町内や周辺を1時間程度巡行し、辺りには祭りばやしが響いた。

出陣式の様子=伊賀市上野徳居町で

 この日は午後2時から、大御幣(ごへい)を先頭に鬼行列が上野相生町の三之町通りを出発する「足揃えの儀」を予定していたが、降雨が予想されるため、昼前に中止を決定。鬼行列に携わる上野相生町、上野紺屋町、上野徳居町、上野三之西町の「四鬼会」では午後1時すぎから上野徳居町集議所前で出陣式を行い、「えい、えい、おー」の掛け声で本祭に向けて気持ちを高めていた。

本町通りに並ぶ(手前から)上野向島町、上野西町、上野中町のだんじり

 だんじりは、上野鍛冶町、上野中町、上野向島町などが午前10時ごろから、各町の楼車庫周辺を巡行。上野鍛冶町の笛方を務める豊住徳孝さんは「祭りに向けておはやしを練習してきた子どもたちのためにも、少しだけでもできて良かった。明日は晴天になって、たくさんの人に見に来てほしい」と期待を込めて話した。

 20日の本祭(神幸祭)は午前9時に、同神社のみこしを先頭に稚児行列や鬼行列、だんじりが上野車坂町の同神社東御旅所を出発。夕方まで市街地の本町・二之町・三之町通りを練る予定。

 開催中の問い合わせは祭礼本部(080・9494・1519)へ。

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