【連携協定を締結した各機関の代表者ら=名張市南町で】

 三重県名張市や地域の金融機関など計10機関が、「中小企業・小規模事業者支援に関する連携協定」を結んだ。高齢化などで廃業する事業者の増加が同市でも課題となる中、創業や事業承継支援などで連携し、事業者の持続的な発展と地域経済の活性化を図る。この規模の連携は、県内では珍しいという。

 協定の参加機関は、名張市▼名張商工会議所▼三重県産業支援センター▼三重県信用保証協会▼日本政策金融公庫津支店▼百五銀行▼三十三銀行▼南都銀行▼北伊勢上野信用金庫▼伊賀ふるさと農業協同組合。相談対応や金融支援、セミナーの実施など、それぞれの役割に応じて取り組むという。

 同市では2019年度から事業承継支援を開始。22年度からは、第三者承継支援にも対象を拡大した協議会を立ち上げ、取り組みを進めてきた。今回、各機関の専門知識やネットワークを活用した総合的な支援を実施するため、県産業支援センターの発案で連携協定の締結に至った。

 名張産業振興センターアスピア(南町)で10月8日にあった締結式で、北川裕之市長は「協定をきっかけに、地域の産業の活性化、継続を進めたい」、同支援センターの更屋英洋理事長は「各機関の連携を一層深め、円滑な事業承継や事業者の発展に尽力していきたい」とあいさつした。

 市によると、市内の事業所数は2009年が3067事業所だったが、21年には2712事業所まで減少。減少率は11・57%で、同期間の人口減少率7・3%を4ポイント以上、上回っている。

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