【舞いの練習をする(左から)佳夏さん、好美さん、有姫さん、奈央さんの4姉妹=名張市で】

 三重県名張市の蔵持春日神社(蔵持町原出)の秋祭りで、五穀豊穣を願い奉納される舞姫舞を地元の4姉妹が務めることになり、練習に熱が入っている。

 4姉妹は近くに住む英心高校桔梗が丘校1年で長女の久保田有姫さん(16)、次女で桔梗が丘中学校2年の奈央さん(14)、三女で同中1年の好美さん(12)、四女で蔵持小学校3年の佳夏さん(9)。

 同神社の舞姫舞はこれまで蔵持町原出、芝出、里の3地区の小学生女児4人が担ってきたが、今春になって4人のうち3人が卒業してしまった。伝統を絶やすことはできないと同神社総代長の川嶋忠司さんを始め関係者で相談した結果、久保田さん4姉妹に依頼することになったという。

 かつて小学2年から6年まで舞姫を経験したことで魅了され、「また舞いたい」という思いをずっと持っていた有姫さんは依頼に大喜び。奈央さんと好美さんも経験があり、伝統と地域への愛着がある母の道子さんも賛成し、舞の務めを了承した。

本番向け猛特訓

 舞姫初挑戦となる佳夏さんも、有姫さんの指導で、連日猛特訓。夏休みには、宇流冨志禰神社(同平尾)に4人そろって習いに行った。9月下旬からは神社で衣装をまとい、本番さながらの練習を連日のように続けている。

 蔵持地区は市内でも500年以上の歴史があり、同地区を開拓した「九人講」の中の一軒でもあるという言い伝えがある久保田家。「4人で舞ってみたかった」という有姫さんの願いもかない、祖母の悦子さんも「歴代の地域の皆さんに感謝」と喜んでいるという。

 4姉妹による舞姫舞は10月12日の宵宮で午後7時ごろから、13日の本宮で午後2時ごろからの予定で、「頑張るのでぜひ、見にきてほしい」と4姉妹。川嶋さんも「絶やすわけにはいかない中、快く引き受けてくれてほっとしている。当日は楽しんでもらいながら、4姉妹が奉納する今年の大祭と七五三を無事終えたい」と話した。

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