【昨年のコンサートの様子(提供写真)】

 「謎解きの長い旅の始まりは あの時この町から」――。10月13日に三重県名張市で開かれる「第17回隠街道市」のイベントの一環として、午前11時から同市新町のやなせ宿で、江戸川乱歩の誕生日を祝う「乱歩さんのお誕生会ミニコンサート」がある。入場無料。

 11年前から毎年10月、ピアノ講師の乾裕香さんが指導する子どもたちや市内の大人のコーラスグループのメンバーが、乱歩の誕生日に合わせてコンサートを開いてきたが、当初は乱歩にまつわる歌が「少年探偵団」だけだった。

 7年ほど前、同コンサート世話人の小島敏孝さん(同丸之内)が乱歩の長男・平井隆太郎氏の著書「うつしよの乱歩」の中に「父(乱歩)の鼻歌はたいてい『故郷の空』でした」とあるのを発見。いつか地元ならではの曲を歌いたいと考えていた小島さんは、「乱歩が愛した故郷の風景は、生家のあった新町の川辺から望む風景だったのでは」と想像し、唱歌「故郷の空」の原曲を導入する形で「乱歩さんの故郷の空」が完成した。

 当日は「乱歩さんの故郷の空」や「少年探偵団」「かいじん百面相」などを歌う。小島さんは「郷土が生んだ偉大な探偵推理小説作家の生涯に思いを巡らせ、これからも市民の誇りである乱歩さんの古里の歌を歌い続けたい」と思いを語った。

- Advertisement -