【ごみ袋とトングを手に道路沿いを走る石本さん(提供写真)】

 三重県伊賀市岡波の公務員、石本陽洋さん(56)は2年ほど前から早朝のランニングやごみ拾いが日課で、今夏は孫4人と約1か月間、近隣の道路沿いなどで“福拾い”と名付けてごみ拾いに汗を流した。「捨てることが誰かの迷惑になると気付いたり、見過ごす人が少しでも減ったりしてくれたら」と願っている。

協力してごみを拾う石本さんの孫たち(同)

 趣味のトライアスロンのためにトレーニングを続ける石本さんは、走りながらふと、沿道に捨てられているごみの多さに気付いた。小学校が夏休みに入った7月22日の朝、「一緒に行くか」と何気なく声を掛けると、同居する優弦ちゃん(5)、隣に住む嶋村琴羽さん(8)、楓花ちゃん(6)、維斗ちゃん(2)が「行きたい」と同行することになった。

協力してごみを拾う石本さんの孫たち(同)

 それから8月26日までの間、広域農道沿いや店舗駐車場の周りなどを重点的に約1時間、トングと袋を手にあちこちを歩いた。道路にはペットボトルや空き缶、人目につきにくい場所には、段ボールや木箱に入った家庭ごみ、ペットボトルに詰め込まれたたばこの吸い殻などもあり、拾っている最中に車から目の前にごみを捨てられたこともあったという。

 持ち帰ったごみは、自宅に設けた分別用ケースを使って石本さんが仕分けする。孫たちはごみを拾いながら「なんでこんなところに捨てるんやろう」「捨てた大人は子どもからやり直さなあかんなあ」とつぶやいていたといい、「みんなで福拾い(ごみ拾い)したら、みんな元気になる」と話してくれたそうだ。

2024年9月28日付876号2面から

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