【キクラゲの栽培小屋の前に立つ伊井野さん=名張市上三谷で】

自然のサイクル大切に 伊井野雄二さん(69)

 三重県名張市上三谷の豊かな里山を子どもたちに引き継ぎたいという思いから、地元住民らと環境保全型保養施設の開業に携わり、1996年にはNPO法人「赤目の里山を育てる会」を設立。現在は障害者の就労支援事業などにも取り組み、利用者に寄り添ったサポートやアドバイスをしている。

 鳥取県出身で、大学卒業後の1980年に同市内の診療所へ事務長として就職した。同法人では2002年から17年まで高齢者対象のデイサービス事業を運営していたが、現在は障害者就労継続支援A型、B型の事業を実施しており、市内を中心に近隣から集まる13人の利用者が6人のスタッフとともに働いている。

 現在の主な事業は、敷地内にある養鶏場や「キクラゲハウス」、「きのこセンター」(同市安部田)の運営、間伐材の利活用などで、利用者の特性に合わせて仕事を準備する。「毎日一緒に働くのは大変なことも多いが、楽しくやりがいがある」と語る。

 送迎や食事をともにし、話をしたり悩みを聞いたりもする。利用者が落ち込んでいる時は「どうしたん」と励まし、「無理しないようマイペースで頑張って」と優しく気遣う。

 「切り株から新しい芽が出てまた大きくなり、20年以上経てばまた利用できる。そんなサイクルを大切にし、人が関わることでより豊かな自然になることを示していきたい」と目を細める。これから先は「里山資源の利活用を更に進め、豊かで多様な里山にすること」が大きな目標だ。

2024年8月31日付874号10面から

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