【寄贈式に出席した「西山の棚田振興協議会」の重倉会長(左から2人目)ら=伊賀市西山で】

 三重県伊賀市の「西山の棚田振興協議会」は9月17日、地元の社会福祉協議会を通じて生活に困っている人らへの食糧支援として活用してもらおうと収穫したコシヒカリ330キロを寄付した。

 同振興協は滋賀県境にある高旗山(標高710メートル)のふもとに位置する西山地区で棚田の保全に取り組んでいる団体で、市社協への寄付は2021年に始まった。「西山の棚田」は20年4月に国の指定棚田地域になっている。

 120戸の集落で36戸が稲作をしており、今年は昨年よりも約1週間早い8月中旬から下旬にかけて刈り取りをほぼ終えた。ブランド化した西山の棚田米は、山水と粘土質の土壌、寒暖差の大きい気候で良質な米がとれることから市外から購入に来る人も多いという。

 贈呈式で生産振興協の重倉貢会長(76)は「非常に暑い日が続いて高温障害を心配したが、質はいい」と米の出来栄えに太鼓判。市社協の平井俊圭会長は善意の寄付に対し「4年連続で新米をご提供くださり、本当にありがたい」と感謝を述べた。

 市社協によると、寄付された米は、市内10か所の地域食堂(子ども食堂)や困窮家庭に提供する他、9月に開所したさまざまな支援が必要な児童を受け入れる「子ども第三の居場所『いがっこの家上野忍』」でも活用する予定。

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