【左が従来表記の名札の見本、右がカスハラ対策で名字のみにした名札の見本=名張市役所で】

 三重県名張市は8月27日、悪質なクレームなど「カスタマーハラスメント(カスハラ)」対策の一環で、職員が身に着ける名札の表記をひらがなの名字とローマ字、所属名のみに変更すると発表した。

 同市はこれまで、職員の名札を漢字のフルネームで表記していた。動画の無断撮影やSNSでの個人攻撃などの迷惑行為を避けるため、変更に踏み切った。既に一部の部署は導入しており、9月以降は全庁的に切り替えていく。

 市によると、5月に本庁や市立病院など63の部署で実施した職場ミーティングで、「カスハラを受けたと感じたことはあるか」などと質問し意見を集めた。職員からは「ネットに書き込むと脅迫された」「胸ぐらをつかまれた」「名札を見て名前を何度も呼ばれ、しつこく怒られた」など、さまざまな事例報告があったという。

職員から寄せられた事例を挙げながらカスハラ対策を説明する北川市長=同

 名札以外の対策としては、2015年に定めた不当要求などの対応マニュアルにカスハラ対応を加える▼人事異動の報道発表を室長級以上に限定▼ICレコーダーの活用などを挙げている。

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