【利用する未就園の子ども2人とおもちゃで遊ぶスタッフ=名張市美旗町南西原で】

「みはたすくすく」

 少しでも、ママだけの時間を過ごせるように――。三重県名張市の美旗地区で、未就園児を対象にした託児支援「みはたすくすく」を地縁法人美旗まちづくり協議会福祉部が運営している。発足から10年目を迎え、地域に欠かせない存在になっている。

 美旗市民センター(同市美旗町南西原)で、毎月第1、4火曜日の午前9時から正午まで活動しており、スタッフは50代から70代のボランティア12人が所属。各回6人体制で、生後半年を過ぎた未就園児を3人まで預かる。利用できるのは、地区在住の人または実家が地区にある人となっている。

「私たちに何か出来ないか」

 「核家族化が進む中、子育てに追われる母親たちのために私たちに何か出来ないか」と、当時の民生児童委員を中心としたメンバーで結成。発足にあたっては、安全面や事故のリスクなど周囲からさまざまな意見が上がり、慎重に議論を重ねたという。保険への加入などを済ませ、2015年に活動を開始した。

 7月2日には2人の子どもが利用していた。市民センターの会議室にマットが敷かれ、車やままごと遊びの玩具、絵本などが並び、子どもたちはスタッフに寄り添われて思い思いに楽しんでいた。

 スタッフの一人、渡邊玲子さん(72)は元保育士で、長年子どもに携わってきた。「子どもが好きで、笑顔が見たい。元気なうちは仲間と一緒に活動を続けていきたい」と話した。他に「子どもたちに癒やされ、元気をもらえる」「お母さんの笑顔を見たいという思いもあって続けている」と話すスタッフもいた。

 利用する母親(38)は「子どもはいつでも追いかけてくるので、少しの時間でも息抜きになった。子どもにとっても良い刺激になっていると思う」と話した。

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