【瓦の上に止まったヒラズゲンセイ(田中さん提供)】

 三重県伊賀市予野の花垣神社境内で、赤いクワガタのような姿をした希少な昆虫「ヒラズゲンセイ」を、名張市蔵持町芝出の田中豊成さん(73)が発見しカメラに収めた。田中さんは「真っ赤で初めて見る甲虫だった」と驚きを語った。

 ヒラズゲンセイはツチハンミョウ科の甲虫で、成虫の大きさは約3センチ。元々は南方に生息し、日本では南西諸島から九州南部、四国に分布していたが、近年は近畿地方にも生息域を広げている。

 体液に毒があり、人が素手で触ると炎症を引き起こすため注意が必要。幼虫は、クマバチの巣に寄生して育つという。

 田中さんは日本野鳥の会三重の会員で、フクロウの仲間のアオバズクを探していたところ、6月29日午前11時ごろに神社の境内でヒラズゲンセイに遭遇。「飛んでいたので『何かな』と思っていたら、10秒ほど瓦の上に止まったのでシャッターを切った。温暖化のせいで北上してきたのかな」と話した。

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