【アイガモロボを見守る上髙原さん(左から3人目)ら=名張市安部田で】

 水田の新しい雑草対策として注目されている「アイガモロボ」の新型の実証実験が、三重県名張市安部田の上髙原由佳さん(42)が管理する水田で行われている。「かめ吉」と名付けられたロボットはアイガモのひなのように水田を動き回った。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/AnJl8zkElE0)〉

 アイガモロボは「アイガモ農法」にヒントを得て開発されたもので、実証実験に使われているのは井関農機とNEWGREENの共同研究機。縦約80センチ、横約90センチ、高さ約25センチ、重さ約5キロで、水に浮かぶ「フロート」式だ。太陽光エネルギーでの稼働で、ブラシで土を巻き上げて水をにごらせて光を遮り、雑草の発生を抑えるという。

 3日に1度、自作のチェーン除草機を使うなど、体力が必要な水田の雑草対策に苦労していた上髙原さん。伊賀有機農業推進協議会と井関農機、名張市に相談し、モニターになった。

 アイガモロボは5月下旬から、田植え後の約1500平方メートルの水田で稼働。説明会では、米農家や市の関係者らが水田に集まり、時速約1・5キロでぐるぐる動き回るかめ吉の“雄姿”を見守った。実験期間は水田の稲が約30、40センチになり、水を抜いて乾かす「中干し」の時期まで。

 「有機農家のかなりの労働力の軽減になり、期待以上の成果。夢しかない」と感嘆する上髙原さん。「手間が省け、若い就農者が増えるなど将来に希望が持てる」と笑顔だ。「全国的にも珍しいロボットを一足先に地元の皆さんで使っていけたら」と話した。

2024年7月13日付871号23面から

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