元巨人・桜井投手再び東京ドームに
7月19日から東京ドームで開かれる社会人野球の全国大会「第95回都市対抗野球大会」(毎日新聞社、日本野球連盟主催)に、三重県伊賀市治田の練習場を活動拠点とするミキハウス硬式野球部(大阪府八尾市)が近畿地区第2代表として出場する。近畿地区予選で4年連続5回目の出場を勝ち取り、チーム過去最高の16強以上を目指す。
今季は、元プロ野球・巨人の2015年ドラフト1位右腕、桜井俊貴投手(30)=神戸市出身=が1年間のブランクを経てミキハウスで現役に復帰。同予選の2試合で完投し、ストレートは最速151キロをマークするなど復活を印象付けた。「体力面で若手に負けていられない」と自身を追い込む姿勢やコンディショニングは、周りの選手たちに刺激を与えている。
桜井投手や栗山拓巳投手(34)、高橋康平投手(35)らの球を受けるのは、チーム在籍10年目の井上大輔捕手(31)=奈良市出身。ブルペンでの投球テンポが速い桜井投手の影響で他の投手陣もテンポアップし、配球の相談などで投手陣11人と捕手陣3人のコミュニケーションが深まったと感じているといい、「防御率0点台を目指して本戦に臨みたい」と話す。
「連続出場が途切れなくて正直ほっとした。チーム全体が良くなれば自分の結果にもつながると信じて試合を見るようになった」。そう語る小河内健吾内野手(25)=津市出身=は昨秋から主将を務め、「都市対抗に出ることに満足せず、結果を残すため一丸となって頑張ろう」と仲間を鼓舞し続ける。
打撃では、加入2年目の左打者・島澤良拓外野手(26)、不動の4番・田中秀政内野手(28)、プロ注目のスラッガー・猪原隆雅外野手(24)ら中軸を中心に長打力がアップ。陣田匡人監督(45)は「全国にいる速球派の投手たちにも対応できるよう、冬場のトレーニングで筋力強化を図った結果では」と手応えを口にする。
選手たちのほとんどは同社物流センター(伊賀市治田)で勤務しており、公式戦の試合開始前の選手紹介では応援に駆けつけたスタンドの同僚から「出荷担当」「最古参」「フォークリフトに乗っています」などの声も飛ぶ。昨年、巨人のスカウトとして全国を飛び回り、社会人野球ならではの光景も眺めてきた桜井投手は「1試合1試合、予選を勝ち上がるごとに緊張感が増した。再び東京ドームのマウンドに上がることで新たなスタートが切れれば」と抱負を語った。
チームは今季、社会人野球の2大大会(都市対抗、日本選手権)で8強以上を目指している。今大会では21日(日)の初戦で東京ガス(東京都第3代表)と対戦する。