【クーリングシェルターに指定されたイオン名張店3階のフードコート前=名張市元町で】

 気候変動に伴う熱中症の対策強化の一環として、三重県名張市は6月25日、同市元町のイオン名張店を指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)として指定し、同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)との協定に調印した。名張市内の民間施設としては初で、既に真夏日となる日もある中で、今後新たな指定につなげていきたいという。

 改正気候変動適応法によって、熱中症の危険が高まった際には注意を促すために熱中症特別警戒情報(熱中症特別警戒アラート)が発表される。そうした時期に、誰もが一時的に暑さから避難できるよう、冷房設備を有するなど一定の要件を満たし、誰でも休息が取れる施設を市町村が指定する仕組みが全国で広がっている。

 同市では現在、市役所(鴻之台1)、市立図書館(桜ケ丘)、保健センター(朝日町)の公共施設3か所をクーリングシェルターに定めており、市内4か所目となる。市街地にある同店は高齢者の利用が多いこともあり、買い物利用の有無にかかわらず、午前9時から午後9時まで3階フードコートを広く一般に開放する。店舗入り口などに案内を掲示し、最大50人程度の利用を想定している。

協定の調印式を終えた北川市長(左)と中田店長=名張市役所で

 この日の調印式に臨んだ北川裕之市長は「命に関わるほどの猛暑が続くが、誰もが気軽に休むことのできる場所は重要。公共施設だけでは十分でなく、とてもありがたい。今後、公共・民間ともに増やしていきたい」と謝辞を述べ、同店の中田貴裕店長は「電気代の高騰など、家庭で十分に冷房を使えないこともある中で、近所の人と話すだけでも気軽に来て休んでいってほしい」と話した。

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