【「ひやわい」で看板を紹介する俊昭さん=名張市中町で】

 三重県名張市の社会奉仕団体・名張中央ロータリークラブ(RC)は5月22日、同市生まれの作家・江戸川乱歩(1894‐1965)の世界観や作品の魅力を伝える看板5枚を市に寄贈した。

 看板は全体の高さが約150センチで、表示面は縦44センチ、横30センチ。支柱をスタンドに挿して立てるタイプで、移動できる。表示面は、原稿用紙のデザインに「人間椅子」「白昼夢」「屋根裏の散歩者」「芋虫」「孤島の鬼」の5つの小説からそれぞれ抜き出した一節が書かれている。

 乱歩を巡っては、昨年が作家デビュー100年、今年は生誕130年、来年は没後60年と節目が続く。関連事業を考えていた同RCが、「古書からすうり」(中町)を営む中田茂美さん、俊昭さんに相談。同店で開かれる乱歩作品の読書会「幻影嬢」のメンバーの意見を聞いて5作品を決めたという。

 この日、名張産業振興センターアスピア(南町)で贈呈式があり、同RCの市川裕規会長が北川裕之市長に看板を手渡した。北川市長は「素敵な看板を頂戴した。ぜひ活用したい」と感謝を述べた。

 その後、同RCのメンバーらは中田さん夫妻の案内で、同店近くにある「ひやわい」と呼ばれる狭い路地に仮設置した看板を見学した。

 市は今後、乱歩関連の催しなどで看板を活用する方針。当面は、市立図書館(桜ケ丘)の乱歩コーナーなどに置くという。

「屋根裏の散歩者」の一節が書かれた看板を北川市長(左)に手渡す市川会長=名張市南町で
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