【振り袖姿で笑顔を見せる参加者たち=伊賀市西明寺で】

 三重県伊賀市で5月4日、2度目の「18歳成人式」が市文化会館(西明寺)で開かれた。晴れ着姿の参加者たちは「本当は20歳でしたかった」と話したり、「考えようなので、18歳でも悪くないと思う」と話したり、「振り袖が暑いやめて。1月に戻してほしい」と話したりしていた。

会場の入り口前で記念撮影を楽しむ参加者ら=同

 成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた2022年4月の改正民法施行を受け、同市では昨年から成人式の対象年齢を変更した。市教育委員会によると、今年は747人に案内状を送付し、561人が参加。参加率は75・1%で、前年より4・27ポイント下がった。

 青空が広がったこの日の最高気温は、上野特別地域気象観測所(緑ケ丘本町)で29・3度を記録。7月上旬並みの陽気で、今年一番の暑さとなった。会場では振り袖姿の参加者らがハンカチで汗をぬぐったり、持参した扇子や市が配布した紅白のうちわであおいだり、手持ち扇風機の風を顔に当てたりする姿が見られた。

「新成人誓いのことば」を述べる中野さん=同

 式典の「新成人誓いのことば」で、実行委員長の中野綾花さん(18)は「今ある生活が決して当たり前でないこと、生きていることに感謝することを忘れず、前向きに力強く歩んでいきたい」と述べ、英語、ポルトガル語、中国語など7か国語で「ありがとう」を表現した。

 大阪の大学で外国語を学ぶ中野さんは三重高校(松阪市)ダンス部の元キャプテンで、式には1年から3年の後輩部員約50人が駆け付け、本格的なパフォーマンスを披露。中野さんも「見ているうちに踊りたくなった」と振り袖姿で一部のダンスに加わり、会場を沸かせた。終盤には、参加者や部員らがスマートフォンのライトを点灯させて音楽に合わせて揺らし、ライブ会場のように盛り上げた。参加した女子大生は「ダンスがかっこよすぎ。すごかった」と話した。

パフォーマンスを披露する三重高ダンス部員たち=同
ライトを点灯させたスマートフォンを音楽に合わせて揺らす参加者たち=同

岡本市長「皆さんは貴重な体験」

 岡本栄市長は式典の「お祝いの言葉」で「皆さんは日本でも数少ない貴重な体験をしている。20歳の成人式は昔からの伝統ではなく、まだそんな歴史があるものではない。伝統というなら日本では15、6歳の元服式があり、もっと早く大人になった」などと述べた。式後の取材で、来年の18歳成人式については「続くはず。市長が変わるとやめちゃうところがあるから頑張らないと。直接頑張る方法もあるし、間接頑張る方法もある」などと話した。

会場に設置された「18」の形をした風船の横でポーズをとる参加者たち=同
- Advertisement -