三重県名張市の地域おこし協力隊「有機農業チャレンジ隊員」に着任した土手川千幸さん(35)=大阪市出身=と原田二郎さん(46)=名古屋市出身=が4月16日、名張市役所で今後の活動への意気込みを語った。着任は3月1日付。
土手川さんは会社勤務を経て、生の野菜や果物を使ったローフードの教室を自宅で主宰。食への関心が高まるなか、協力隊の募集を知って申し込み、夫と5歳の長男の家族3人で移住した。
原田さんは、東京や横浜、名古屋などの中国料理店で調理師として計20年以上勤務。仕事の中で有機野菜のおいしさに触れ、自ら生産したいと思うようになった。県農業大学校で1年間学んだ後、協力隊に応募し移住した。
現在は2人とも研修中で、土手川さんは同市赤目町柏原の手づくり農園でケールやニンジン、ブロッコリーなど、原田さんは同市薦生の福広農園で小松菜やホウレンソウ、水菜などをそれぞれ育てている。有機野菜の栽培ノウハウを学んだ後は、名張での就農を目指すという。協力隊の任期は最長3年。
土手川さんは「農業を通じて、名張のまちづくりに貢献したい」、原田さんは「おいしい有機野菜をいっぱい作って、皆さんに届けたい」と語った。
市農林資源室によると、2020年時点の市内の総農家数は1131戸(経営耕地面積約729万平方メートル)で、その後も年々減少しているとみられる。化学肥料や化学農薬を使わない農法に取り組む市内の農家数は23年度は7戸(同約12万平方メートル)で、うち有機JAS認証を取得している農家は4戸(同約5万平方メートル)。
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