三重県伊賀・名張両市消防本部が119番通報の対応を共同運用する「伊賀地域消防指令センター」の開所式が3月28日、伊賀市消防本部(緑ケ丘東町)であり、関係者ら約30人が出席した。県内での共同運用は四日市市と桑名市、菰野町の3市町による「三重北消防指令センター」に次いで2か所目。4月1日に本格運用を開始する。
庁舎3階にある指令センターは広さ約522平方メートル。整備費用は約6億4000万円で、うち7割は国の交付金を活用した。管轄人口は約16万人で、昨年1年間に受け付けた119番通報は伊賀市内で7608件(前年比889件増)、名張市内で6078件(同219増)だった。
新たな高機能消防指令台は3基あり、119番通報が重なった場合は最大6件の同時着信が可能。担当職員は伊賀12人、名張10人の計22人で、日勤の管理職2人を除く10人ずつの2班体制で24時間勤務する。
新システムでは119番を受電すると、通報者の位置情報を把握し、発生場所の特定や災害種別を決定。自動で最も近い位置の車両を選別し出動部隊を編成する。
カメラ付きスマートフォンから通報があった場合は、今回導入した「映像通報システム」を活用し、送信された映像でより迅速な対応につなげる。急病人やけが人がいる場合は、音声や映像で救命措置方法の情報を指令センターから送信し、効果的な応急手当の指導ができる。
また、現在位置や活動状況の把握など現場活動を支援する車載器「車両動態システム」を両本部が保有する全ての救急車や消防車計46台に配備した。
- Advertisement -