「名張きぼうのこども園」で竣工式　市立幼保3園統廃合で4月開園

　三重県名張市立幼保3園が統廃合し、4月に開園する同市丸之内の幼保連携型認定こども園「名張きぼうのこども園」の竣工式が3月25日、同所であった。移管を受けて経営する社会福祉法人名張厚生協会や市の関係者ら約40人が出席し、施設の完成を祝った。

　昨年3月に閉園した市立名張幼稚園の敷地約4400平方メートルで、既存建物（保育棟、鉄筋コンクリート造平屋建て）を改修した他、ランチルームなどを備えた木造平屋瓦葺きの建物を南側に新築した。事業費は約4億5000万円で、市などの補助金約2億2000万円を活用した他、同法人が約2億3000万円を負担した。

　施設は全体に県産木材を使用し、温かみのある空間を演出。新築建物のランチルームは、食育のため調理室をガラス越しに見ることができるようにした他、園児が野菜を切ったり洗ったりする体験ができる専用のスペースを設けた。同じ建物には、未就園の子や親が使う子育て支援ルームも備えた。

　改修した保育棟には、園児が中に入って遊べる「隠れ家」や木製のジャングルジム、畳のスペースなどを設けた。園庭には、名張幼稚園時代からのクスノキや丸型ポストなどを残した。

　園児の定員は85人で、対象は生後6か月から5歳児。障害のある子どもも、各クラス2から3人程度受け入れる。

　職員は保育士や調理員など約40人を雇用。業務に最新のICTシステムを導入し、登園管理や保護者への連絡などに活用する。

　竣工式で、同法人の山口伴尚理事長は「子どもたちの命がキラキラと輝く、楽しい子ども園を築いていく。地域の子育て支援にも積極的に取り組みたい」、福永かほる園長は「一歩一歩確実に、手応えある保育を職員とともに作っていく」とそれぞれあいさつ。北川裕之市長は「本当にマインドのある方に、この園を運営頂ける。ありがたい」と述べた。