能登半島地震の被災地に、三重県のリハビリテーション専門チーム「三重JRAT」の一次隊員として初めて派遣された伊賀リハビリライフサポートの理学療法士、堀晴登さん(23)=伊賀市上野田端町=が、現地での活動を振り返った。
JRATは日本災害リハビリテーション支援協会の略称で、災害時に起こる高齢者の身体機能の低下や災害関連死を未然に防ぐ活動などを行う団体。東日本大震災を機に組織された。
堀さんは普段、リハビリデイサービスささゆりで勤務。今回は医師1人、理学療法士3人で構成するチームの一員として、2月19日から21日まで石川県輪島市門前町で活動し、1次避難所6か所で70、80代の高齢者計11人の支援に入った。
避難生活が長引く被災地では、生活環境の変化で動く機会が減った高齢者らの心身機能が低下する「生活不活発病」や、同じ姿勢を続けると発症リスクが高まる「エコノミークラス症候群」などが懸念されている。堀さんたちは、ベッドからの立ち上がりが徐々に難しくなってしまった高齢者のために手すりを設置して住環境を整えたり、歩行器を提供したり、体操やストレッチの習慣が付くよう指導をしたりした。
避難所支援の現場では、各県から派遣された保健師や看護師などのチームが多数活動しており、各チーム間の連携が課題となった。連絡調整役も担った堀さんは「被災地の復興が進んでいるような報道も増えているが、現場はまだまだ混乱していた。効率的に活動するためには、チーム間の情報共有がとても重要だと感じた」と振り返る。
堀さんは、JRATの現地災害対策本部の運営などを担う「Rスタッフ」に伊賀地域で唯一登録されているといい、「今後、本部の運営に携わる時も、今回の現場経験を生かしたい」と話した。
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