11日の教育民生常任委で審議
三重県伊賀市阿保の青山保健センター運動施設にあるプールの運営継続を求めた請願が、3月11日の市議会教育民生常任委員会で審議される。市は利用者1人に10万円の費用負担がかかっているとし、プールを3月末で閉鎖する方針で、来年度の予算案からプールの運営経費を削除した。請願者は使用料の値上げなどを提案している。
同保健センターは市が2015年策定の「公共施設最適化計画」で、機能の一部廃止と建物の譲渡または貸付の方針を示し、プールなどの利用者には昨年6月になって閉鎖の方針を初めて説明した。団体側は「計画には廃止する機能を具体的に明示していない」と反発する。
市町村合併直前の青山町時代にオープンしたプールは健康増進を目的にした屋内温水の歩行用。請願者で住民団体「継続を求める有志一同」の共同代表を務める同市下郡の竹本昇さん(74)によると、利用の多くは高齢者や障害者で、過重な水圧がかからない深さの設定や車椅子で入ることも可能な「全国でも数少ない貴重な施設」だと主張する。
利用状況は、延べ人数が開館した04年度が9089人で、ピークは16年度の9773人。17年度までは7000人台から9000人台で、利用時間の2時間短縮や日曜が休館日になった18年度も7512人の利用があった。19年度からの3年間は新型コロナによる臨時休館などもあり、6000人台から4000人台に減少した。
市が主張する「利用者1人に10万円の費用負担」の根拠は、修繕料約223万円を含む青山保健センターの22年度施設管理経費約2347万円を利用者の実数236人で割った額で、使用料収入は計上していない。市は代替案として、来年度はプールを除くフィットネスルームなど継続する考え。
同団体は2月5日に、近森正利議長らと面会。賛同者854人分の署名を提出。岡本栄市長はプール閉鎖について、3月の定例会見で「1人10万円の経費がかかっている。しかも少数の人に。特定の人たちだけに便益を供与される理由はない」と見直す考えがないことを示している。