【消防表彰を受けた菅原さん(右)と前川さん=伊賀市緑ケ丘東町で】

 三重県伊賀市千戸の国道163号で発生した交通事故で、自力で脱出できないドライバーを燃え出し始めていた車両から救出した大阪府枚方市の無職、菅原健さん(76)と同市の会社員、前川竜雄さん(59)に市消防本部が感謝状を贈った。

 交通事故による車両火災があったのは昨年11月19日午前7時40分ごろで、道路脇の斜面に乗り上げて電柱に衝突した軽乗用車に津市内のゴルフ場を目指し走行していた菅原さんと出勤途中の前川さんが気付いた。運転席にいた20代女性は負傷しており、菅原さんがドアのガラスを割って車外に引き出し、前川さんが119番に通報。2人で意識がない女性を抱え、燃え出していた車両から約20メートル離れた安全な場所まで運んだ。車は数分後に炎上し、全焼した。

 同本部によると、交通事故で重傷を負った女性は現在、退院しているという。菅原さんは「助かってよかった。それが一番」、前川さんは「助けたい思いで必死だった」と話した。林浩己署長は「連携した2人の勇気ある行動が命を救ってくれた」と礼を述べた。

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