「傘寿まで続けたい」
70歳の時に念願のギャラリーをオープンした奈良県宇陀市榛原天満台東1丁目の向山美代子さん(76)は、趣味で作った品や、自身が好きな作家の作品の展示会を月1回開いてきた。自宅隣に2018年にオープンした「絹衣(きぬきぬ)」と名付けた和室のギャラリーは、さまざまなものづくり作家や愛好家たちが集う憩いの場となっている。
10代のころから自分なりに編み物をたしなみ、ちりめん細工やエコクラフト、絵手紙は59歳で退職後に本格的に習い始めた。作品ができると置き場や発表の場が欲しくなり、「高齢化が進む団地の中で、近所の人たちの憩いの場にもなれば」と、ギャラリーの構想を抱いてきた。
近隣で開かれている作品展やイベントなどに足を運び、交流が生まれた作家に出展を依頼。木工、絵画、鉄工芸、人形などジャンルは幅広く、オープン後程なく訪れたコロナ禍の影響はあるものの、近所の人たちだけでなく、伊賀地域や関西圏などから定期的に訪れる人もおり、延べ入場者は3600人を超えたという。
県外など会場へ頻繁に来られない遠方からの出展者のために、代わって特徴や魅力を紹介することも多く、「自分が好きになった作家さんやその作品を、ここに来てくださった方にも好きになってほしい」と願う。「無事に喜寿を迎えられたので、この先は傘寿まで続けられたら」と力強く語った。
2月22日から28日までは、「喜寿記念趣味展&着物今昔物語パート6」と題した自身の作品展を開いている。開館は午前11時から午後4時まで。入場無料。
問い合わせは向山さん(090・6910・2479)へ。
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