三重県伊賀市は2月19日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3・1%(13億9638万円)増の464億9928万円で歳入歳出総額が3年連続の増額となり、2004年の市町村合併以降で最大規模。同月26日の市議会本会議に提出する。
歳入では、市税全体が2・2%増の147億7268万円を計上。55億2208万円を見込む市民税では、個人市民税が定額減税などにより対前年度比0・2%減の44億1288万円、法人市民税が同5・3%増の11億920万円と試算した。
入湯税は32・7%減の2760万円で、基金の取り崩し金や他会計からの繰り入れが主の繰入金はふるさと応援基金や子育て支援基金などの増額で22・5%増の26億1072万円を計上した。地方交付税は105億5261万円で、5・8%の増収とした。
歳出では、人件費が退職手当の増額などで5・9%増の96億2108万円、物件費が新斎苑PFI業務委託料の増額などで22・8%増の114億5844万円に膨れ上がった。一方、投資的経費は36・3%減の21億4992万円、基金への積立金は7・9%減の12億5605万円だった。
基金残高は、各事業の財源不足で約25億7000万円を取り崩す一方、財政調整基金やふるさと応援基金などに約12億6000万円を積み立てるため、24年度末見込みで約159億円。市民一人当たり(23年12月末現在の住民基本台帳人口8万5954人)で約19万円とした。借金にあたる市債残高は約463億円で、1人当たりでは約54万円になる。
主な新規事業などは次の通り。
▼市内にある公私立の幼稚園を始め、他の保育施設などで園児に提供する副食(おかず)の費用を新たに3歳から5歳の計約1290人を対象に無償化する事業費(約7404万円)
▼使用済み紙おむつの持ち帰りを廃止し、各施設で処分するための収集運搬業務委託料(約1971万円)
▼上野忍町に9月オープン予定の施設で「子ども第三の居場所事業」に取り組む運営団体への財政支援など事業費補助金(560万円)
▼JR関西線新堂駅、伊賀鉄道市部駅と最寄りの学校や工場集積地を結ぶバスを運行し、通学・通勤の実証運行業務委託料(528万円)
▼名張市と京都府笠置町、南山城村の4市町村でごみ処理広域化検討の基本計画策定業務委託料(約755万円)
▼伊賀市美術博物館の基本政策策定業務委託料(2400万円)
▼図書館やホテルなどの複合施設として旧市役所庁舎改修整備事業のにぎわい忍者回廊PFI業務委託料(約18億5073万円)
▼にぎわい忍者回廊PFI事業で建設予定の忍者体験施設の整備と運営管理の業務委託料(約2億3280万円)
▼11月1日に実施する市制施行20周年の記念式典業務委託料(約122万円)
▼芭蕉翁生誕380年記念事業の業務委託料(2000万円)
▼芭蕉翁生誕380年記念として、更新時期を迎えた給食用の汁椀に俳句が印刷した食器の購入費(約359万円)
▼化学消防車と救急車の購入費(計約1億4311万円)