【ふんどし姿で輪になり回る男衆ら=伊賀市馬場で】

 三重県伊賀市馬場の陽夫多神社(神田忠彦宮司)で2月18日夜、400年以上続く神事「裸々(だだ)押し」があった。ふんどし姿の男衆36人が威勢よく輪になって片足で飛び跳ね、農作物の豊かな実りや家内安全を願った。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/hYjOuv5r9-U)〉

 裸々押しは天正年間(1573-92年)に始まったとされ、2つの地区に分かれた氏子同士が押し合ってその年の収穫の具合などを占ったと伝わる。コロナ禍で2021年から3年連続で規模を縮小していたが、今年はスポーツ少年団の小学生らが戻り、例年の規模での開催となった。

 午後8時、住民らが見守るなか社務所を飛び出した男衆は、石段を駆け上がっておはらいを受けた後、輪になって「わっしょい、わっしょい」の声を上げながら右へ左へとぐるぐる回った。その後、「五穀豊穣で打ってくれ」「家内安全で打ってくれ」などと大声で歌った。

 4回目の参加だという小学3年生の男児は「寒かったけど、だんだん温かくなってきた。楽しかった」と笑顔で話した。氏子青年会「陽青会」の福地広和会長(44)は「寒いなかだったが、一年を通しての五穀豊穣や商売繁盛諸々を祈ってやらせて頂いた」と話した。

- Advertisement -