サウナ好きが高じて、新たな事業立ち上げへ―。三重県名張市桔梗が丘西7の福田真也さん(39)が、サウナ関連グッズの独自ブランドを立ち上げ、近く市場デビューする。
福田さんは物流会社に勤務しながら、5年前から趣味で生活雑貨を輸入して「メルカリ」などのネット版フリーマーケットに出品していた。それが軌道に乗り、今では車用品、ペット、ゲーム用品など約千品種を販売。現在、同市百合が丘東6に約60平方メートルの商品倉庫を構えており、「ある程度稼げるようになった」という。
在職中、トランクルーム(貸し倉庫)の新規事業を担当し、資金の運用から市場リサーチ、配達業務まで全て1人でこなしたという。その間に新規開業のノウハウを習得。生活雑貨を転売する事業では満足せず、オリジナルブランド商品を企画し販売したいとの思いが強まったという。こうして、一昨年10月に会社を退職。同市の「創業セミナー」も受講した。
週2回は同市希央台の温浴施設「名張の湯」のサウナに通うという福田さん。「市場リサーチをしていると、サウナハットやバッグなどのグッズのマーケットが急拡大しつつあり、面白そうだ。新規参入する余地もある」と思い立った。
2つの素材組み合わせ
「サウナー」とも呼ばれる愛好家がかぶるハットは現在、タオル生地とウール生地の2種類が一般的。タオル生地は吸水性と肌触りが良いが、遮熱性が弱いため頭に熱がこもりやすい。一方、ウール生地は遮熱性が良く熱を遮断してくれるが、肌触りや吸水性に劣るため汗がダラダラ流れ出る欠点があるという。
そこで福田さんは、ハットの外側はウールとポリエステルを組み合わせることにより遮熱性と抜け毛や不快感を軽減。内側はフランネル生地にして吸水性と肌触りの良さを実現できるオリジナルハットを試作。2つの生地を縫い合わせるため、津市のタオルメーカーに製造を依頼したが、難しいと断られたという。現在は中国の工場に生産を委託している。
またサウナに持って行くメッシュバッグは、内側に6つの小ポケットを付け、ロッカーキーやシャンプー、財布などの小物を分けて収納できるよう差別化を図った。
外気浴の際に着用するポンチョは、現在頭からかぶるタイプが主流だが、体が濡れると着たり脱いだりしにくいという欠点があるため前開きのポンチョを開発した。
黒を基調としたシンプルな各商品は「Ladle Mark(ラドルマーク)」(商標出願中)のブランド名で発売予定。サウナ大国フィンランドに生息する「ハイイロオオカミ」が、サウナハットをかぶりラドル(ひしゃく)を手に持つ姿が可愛くデザインされている。
販売予定価格はハットが税込み3980円など、いずれも市場の相場価格に合わせており、当面は「アマゾン」と自社サイトで販売していく方針。これまでの輸入雑貨のネット販売も続けながら、3月から5月にかけてグッズを順次リリースしていく。
妻と子ども2人の4人家族の福田さんは「サラリーマン時代と違い、事業に失敗したらという不安もあるが、人生は一度、絶対に成功させるという気持ちでチャレンジしていきたい」と話している。