【供物を手に正月堂へ練り込む「元頭村」の講員ら=伊賀市島ヶ原で】

 三重県伊賀市島ヶ原の観菩提寺(菅生和光住職)正月堂で2月11日、春を呼ぶ行事として知られる伝統行事「修正会」(県無形民俗文化財)の「大餅会式」があった。行事に関わる7つの講の講員らが地域を練り歩き、円柱状の5枚の大餅、シュロと稲わらで作った「鬼頭」などの供物(節句盛)を手に、堂内へ勇壮に練り込んだ。

 1200年以上続くと伝わる島ヶ原地域の伝統行事で、2021、22年の大餅会式は感染対策のため参加者を限定していたが、昨年は本来とほぼ同様の形態で行われた。今年は4年ぶりに餅まきも復活し、境内に集まった人たちは頭上の餅に手を伸ばしていた。

4年ぶりに行われた餅まきの様子=同

 午後2時ごろ、最初に「子供節句之頭やぶっちゃ」の講員や子どもらが、「エトー」の掛け声とともに山門をくぐって堂内へ練り込み、本尊・十一面観音菩薩像が収められた厨子の前に供物を並べた。備え終わると、「えーべっさんという人は」で始まる数え歌を歌って万歳三唱し、無病息災などを願っていた。

 続いて、白黄会、蜜ノ木講、聖風講、中矢方、西方、元頭村の順に練り込み、厨子前には鬼頭が乗った5段の大餅、桜の枝に餅を付けた成り花などがずらりと並んだ。

数え唄を歌い万歳する「白黄会」の講員ら=伊賀市島ヶ原で

 12日午後1時からは、僧侶が堂内で火のついたたいまつを振りかざす結願法要の「おこない」がある。

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